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ささえーる

「北見地域障がい福祉研修会2022」を開催しました

 北見地域の障がいのある方に関わる様々な皆様を対象に、ささえーるがお贈りする「北見地域障がい福祉研修会」が、昨年に引き続き今年は12月7日(水)午後に行われました。コロナの流行状況を勘案し、本年もZOOMを使用したオンライン形式での研修会と残念ながらなってしまいましたが、参加〆切の時点では35以上の事業所・団体様から、総数60名に及ぶ出席希望をお忙しい中頂き、有難うございました。

              今回の研修会は 名寄市立大学様の全面協力  のもと、同大学の「出前講義」の枠を特例で拡大適用して頂き、保健福祉学部社会福祉学科の矢口明准教授様に講師をお願いしたもので、『「ふつう」ってなに?~守ろう、利用者さんの笑顔~』をテーマにお話しして頂きました。

違いや多様性を認め合うことができる寛容さを大切にし 特別支援教育が理念として掲げた共生社会の形成のために、数々の学会活動や社会貢献を通じその活動の場を広げておられる矢口淳教授のお話を通して、障がいのある方の生活における「ふつう」とはなにかを学び、本人の権利を尊重した支援について再確認すると共に、参加者の皆さんには『利用者さんにとっての「ふつう」とは』『利用者さんの立場にたっての「ふつう」とは何か』を日々の支援で意識しているか?利用者さんを中心とした支援とは何か?を改めて学び、考えていく時間となりました。

 「ふつう」と言葉というのは一見簡単な言葉であり、普段はあまり深く考える事のない言葉でもありますが実は「虐待防止」や「権利擁護」にもつながり、私達の日々の支援や考え方を見つめ直す、深いキーワードである事を、矢口先生の講義を通して再認識し、(特に施設での虐待報道が連日続いていた時期だけに) 参加された皆さんの心にも、何かしら響いた研修の場を提供出来たのではないかと、思います。

 実際、研修終了後に皆様から頂いたアンケートでは、「大変参考になった」が8割強、「少し参考になった」が1割弱で、「余り参考にならなかった」は1件、「全く参考にならなかった」は0件という数字が示すと共に、自由な記述にも多くの感想が寄せられました (以下、一部抜粋)

  •  発達障がい等の児童を受け入れしていますが、最初はどのようにコミュニケーションをとるのか悩み模索しながらの支援を行っていますが、矢口准教授の研修を受け自分自身が障がいという心の壁を持たない事、そこからスタートする心構えが大切だと感じました。
  •  障がい福祉に従事して3年目になりましたが、普段考えているようで「ふつう」について向き合えていなかったと感じました。支援者として、自分が持っている「ふつう」を「ふつう」だと思ってはいけないと考えさせられ、今後の利用者様に対する支援に役立たせようと感じました。
  •  「ふつう」とは何かを改めて考えさせられました。潜在意識の中で障がいを持った方へ差別的な目線で見ていないか自分自身の当たり前を押し付けていないか、また利用者様本人が障がいだと思っていない事を障がいがあるからと決めつけていないかなど、支援者としての姿勢、意欲を再度見つめ直す良い機会になりました。一人一人を尊重することが、いかに大切なのか勉強になりました。
  •  「ふつう」って、何も考えないで使っている言葉でしたが、本来「ふつう」と言う事は存在しない言葉なのではと、改めて認識した。健常者であれ、障碍者であれ、一人一人は違う!からこそ、個々に合わせた強み(得意)にフォーカスし、成長されるような支援が必要と深く理解した。

など、多くの熱心な感想が寄せられ、事務局としてもその一つ一つの答えに目を通し、改めて今回はこのテーマで研修会を企画して良かったと、実感した次第です。

12月に入り、講師の矢口准教授様も、参加者の皆様も、忙しい時期の中での研修の開催は、大変なご負担もお掛けしたことと思いますが、本当に有難うございました。

今後も私たちセンターでは、北見地域の障がい者の支援・環境の向上につながる研修を企画して参りたいと思いますので、その際には引き続きご参加頂ければ幸いです。