第15回 北見地域医療的ケア児等支援者研修会、報告者を十勝から4名招き開催されました。
10月4日(土)午後、第15回を迎えた「北見地域医療的ケア児等支援者研修会」が開催されました。
今回のテーマは「あたりまえに家族と暮らし 地域で育つということ」とし、サブテーマを「僕もみんなと一緒に小学校へ行くよ!十勝地域における医療的ケア児たち」と据え、看護師や教員、家族、相談員、サビ菅、行政職員等の職種から20名弱の参加者にお集まりいただき、開催することが出来ました。
報告者として、先進地でもある十勝地域からお忙しい中で時間を割いて頂き、幕別町教委の甲谷係長様、十勝障がい者総合相談支援センターの笹山所長様、重症児ディサービス プエオキッズ の水戸管理者様の3名を会場にお迎えすると共に、帯広市子育て支援課の槙主査にもオンラインを活用して参加を頂けました事に、改めて事務局一同感謝申し上げます。報告は前半は帯広市、後半は幕別町と言う形で分け、各取り組みのお話を頂いた後に、登壇者同士によるパネルディスカッションへと展開していきました。
帯広市では、市内に医療的ケア児が17名おり、彼らを支える機関について説明がありました。更に彼らに対する支援や就学の歴史、自立支援協議会の中にR2設立された「医療的ケア児等支援検討部会」の役割や難しさ、目指すところ等の説明がなされました。
「保育所・小中学校の看護師配置の体制整備」の面ではR6より「市の直接雇用(会計年度職員等)により看護師配置」に加え「福祉サービス事業所への委託による看護師派遣(=スクールナース) 」を組み合わせた、ハイブリッド型の看護師体制を組むに至った行政サイドと、実際にスクールナース派遣をしている事業所サイド、の双方からお話を聴く機会を得ました。また、相談サイドからは実際の支援経過を基に「相談支援として何ができるか?(官民協働体制への取り組み)」を考えるに至る、「事例から地域つくりへ」の学びについて、報告がされました。
幕別町からは町内に医療的ケア児が9名おり、支える機関の体制と、医ケア児の就学の歴史について、説明がありました。また自立支援協議会の中で、H30から準備会を立ち上げから、R2設立に至る「医療的ケア児支援部会」の存在や特徴についてお話がありましたが、その中で整理した事として「就学に関する部分」があった事を例にされておりました。部会では「小学校入学の体制整備の検討」について協議をし、看護師配置における財政面の確保は学校教育課主導で行う、と整理されて、学校教育課としてはゼロベースからスタートし、保護者と学校とのすり合わせや、訪問看護事業所への相談の上で、町の総合計画3か年実施計画での要求を3年にわたり積み重ねてきたことで、ようやく予算要求段階で希望通りに看護師配置の内示を受けるまでに至った、という粘り強い報告がありました。
体制整備の構築として、ケース会議開催、主治医打ち合わせ、先進地小学校見学、町内事業所見学や学校主体で保護者も参加したケア会議等も綿密に重ねたり、教員や直接支援機関向けに、座学や実践を伴う研修会も開催した事もあり、町と言う単位ながらも、それを感じさせない積極的な動きと、努力の積み重ねに大変感銘を受けた次第です。
報告やパネルディスカッションを終え、参加の皆様と質疑応答を行いましたが、事業所、家族、行政とそれぞれの立場から質問が出されその都度、報告者より丁寧な回答を頂くことが出来ました。
先進の十勝地域に比べると、北見圏域についてはまだまだの感じを改めて強くする場となったのは否めませんが、一歩一歩この地においても進めていければ良いなと考えさせられる研修会となりました。出席者の皆様、そして遠く十勝から来ていただいた報告者の皆様、お疲れさまでした。


