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ささえーる

今回も北見地域医療的ケア児等支援者研修会に多くのご参加を頂き、有難うございました<(_ _)>

去る5月31日(土)に北ガス市民ホール(北見市民会館)を会場に、第14回を迎えた上記研修会が開催されました。

今回は『お子さんを亡くされた家族の「グリーフ」について~家族に寄り添うサポートは?~』という、少々聞き慣れず、そして重苦しいテーマでしたので、どの程度の方にお集まり頂けるのか、不安な部分もありました。

その心配を他所にいざ蓋を開くと募集定員30名のところ、行政、家族・当事者団体、福祉事業所・機関(児童発達支援、放課後ディ、生活介護、療養介護)、保育、教育、医療、看護、相談と多彩な職域から、職種としても医師、看護師、リハビリテーション工学技士、理学療法士、介護福祉士、相談支援専門員、医療的ケア児等コーヂィネーター、日赤看護大教員・学生など多方面から多忙な時期にもかかわらず定員を満たす程のご参加を頂けたことに、主催者として大変感謝しております。

本年も講師には、医療法人稲生会理事長で、道の委託で北海道医療的ケア児等支援センター長を務められております土畠智幸医師をお迎えさせて頂きました。土畠センター長には毎年テーマを変えて、これで4回目の依頼となりましたが、全道を駆け回る多忙な身にも拘らず、講師を快諾して札幌から来て頂く事が出来、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

講義では「グリーフについて」と「医療法人稲生会のグローフ活動」という二つの話題で行われました。

講義前半では死によって愛する人を亡くしたことに対する、主に情緒的(感情的)な反応に用いられる言葉である悲嘆(グリーフ)について、どのように考えられてきたのか歴史的な背景や、日常体験の中で喪失志向と回復志向という二重過程モデル、遷延性悲嘆症の診断基準や併存疾患(PTSDや大うつ病性障害)、死別後の人間的成長、遺族支援ですべきでない事、など一通りグリーフの概念について学ぶことが出来ました。

講義後半では、在宅患者家族へのグリーフ活動の例や、グリーフと「距離」「食べる」「医療者」の関係などの研究結果、死にいくことへの公衆衛生的アプローチ、終末期患者への医療、専門職がコミュニティから遠ざけていないか?(支援と言う名の支配)、生老病死を専門職からコミュニティへ取り戻す、ケアを受ける人とする人の95%ルールなどを、実際の稲生会での実践も通して学ぶ機会を得ることが出来ました。

    

休憩を挟んだ後半のグループワークにおいては、「子どもを亡くした家族を含め、グリーフ当事者をサポートするための(直接的及び間接的な)活動を、北見地域で行うとしたら、どのような活動が出来そうか」というテーマを与えられ、会場全体を6グループに分けてグループ討議を行って頂き、それを具体的にグループごとに発表してもらう時間となりました。各グループともほぼ初対面、また職種や経歴の方も様々な方々が集まる形となりましたが、この難しいお題について熱心に時間いっぱいまで討議を交わし、一枚の模造紙にまとめ上げ発表して頂くことが出来ました。6グループあれば、それぞれなりのまとめとはなりましたが、講義だけではなくグループワークを通す事により、グリーフと言う聞き慣れなかった言葉に対する理解も、北見地域ではどうするという風に考える事でより深められたのではないかと言う感じを受ける内容に、各グループ発表となっておりました。

前年までは実際の呼吸器扱いなどの体験も交えたのに比べ、今回は座学や討議が中心で多少難しいテーマでの展開であったのに多くの方のご参加を頂けた事、そして今年も札幌から講師としてお忙しい中で足をお運び頂いた土橋先生に対しても、感謝の言葉しかございません。本当にありがとうございました。

【予 告】

なお次回、第15回となる研修会は『医療的ケア児の「就学」について(仮題)~十勝地域における支援体制整備の実際~』と言うテーマで、同じく北ガス市民ホール(北見市民会館)を会場に、10月4日(土)13:30~16:00の予定で開催すべく、企画を進めている所です。開催時期が近づきましたら、また担当の方からご案内が皆様のお手元に届くと思いますので、参加のご検討をあわせて宜しくお願い致します。